新しい生き方作る
ひきこもりの人向けのサービス「COMOLY(コモリー)」を運営する山田邦生さん(38)は、小学校時代からの友人が大学卒業後にひきこもりを経験したのをきっかけに、この事業を始めた。在宅ワーク紹介のほか、メタバース当事者会などを実践してきた。自らの実践からこう助言する。
「当事者が追い詰められるのは、固定観念としての就職を押し付けられること。僕らのサービスを使って在宅ワークで月に数万円稼ぎながら、時にはワークキャンプで農業に参加するメンバーもいます。オンラインで新たなシゴトが生まれる時代です。新しい生き方を作りながら、時にメタバースも活用する。そんな循環が生まれるとうまくいくような気がします」
山田さんはメタバースによる支援は課題もあると指摘する。
「実はメタバース上にも『過疎化』はあります。せっかく初期投資して空間を作っても誰にも利用されない、という例はざらにあります。空間を作って終わりではなく、常にコミュニティーを育むことにリソースをつぎ込む必要があるでしょう」
(ジャーナリスト・古川雅子)
※AERA 2023年9月25日号より抜粋

