で、このテキトーすぎるファッションがどう見えたかというと、まあ実にカッコイイのよ。一言で言って健康的! 心も体もオープンであるということは、それそのものが美しいのだと思い知らされたのだった。
こういうのを見てしまうと日本のファッション事情の特殊性に気づく。私が行ったどの国より、日本女子は圧倒的にファッションに気もお金も使いまくりである。もちろんそれもアリだが、世界を見ればそれだけが自分を輝かせる手段じゃないと心に爽やかな風が吹く。毎日短パンTシャツでも「私ってアメリカン」と思えば完全にオシャレなんであると、早速実践中であることはいうまでもない。
◎稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行
※AERA 2023年9月18日号