講演会では、社会的な男女の役割が、如何に私たちの無自覚なところで刷り込まれてきたかという話をメインにしています。一人でも多くの女性、そして少人数ながら参加してくれている男性に、「これは自分のせいではなく、刷り込まれたことによる思い込みなのだ」と気づいて、自由になってほしいからです。私も過去に、それでずいぶん悩んだことがあったから。
様々な会場で手を替え品を替え話をし、参加者の反応で内容をどんどん更新していきます。「ここは伝わりづらいな」とか「ここは時間をかけて話をしよう」とか「ここは順番を変えよう」、といった具合です。やりがいがあるし、うまく伝わると、大きな達成感が得られます。
たとえばA市での反省を活かしたB市での講演が好評だったとしたら、それはA市の講演会にご来場してくださった方のおかげ。そうやって内容をアップデートし続け、またいつかA市に戻りたい。集合知を循環させる大役を、自分が担っているような気持ちになります。
体力が必要な仕事ではありますが、50歳の節目に新しいワクワクに出会えて、私はとても幸せ。ぜひ、読者のみなさんもご参加ください!
○じぇーん・すー◆1973年、東京生まれ。日本人。作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニスト。著書多数。『揉まれて、ゆるんで、癒されて 今夜もカネで解決だ』(朝日文庫)が発売中
※AERA 2023年9月18日号