チャールズ英国王の戴冠式の会場に到着された秋篠宮ご夫妻=5月6日、ロンドン(ロイター=共同)
チャールズ英国王の戴冠式の会場に到着された秋篠宮ご夫妻=5月6日、ロンドン(ロイター=共同)
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 英ロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われた、チャールズ国王の戴冠式。長引くインフレや失業率の高さなどに配慮して、これまでより簡略化された式典となった。参列者のドレスコードも緩やかになり、各国の王妃や皇太子妃らがひざ丈のドレスなどで臨むなか、松竹梅の柄の着物をお召しになって参列した秋篠宮家紀子さま。和装を世界にアピールする場にもなったが、親子2代にわたって皇室に着物を納めてきた関係者はため息をつく。

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 1億ポンド(約170億円)規模と報道されたチャールズ新国王の戴冠式。これまでより参列者の数も絞られ、かつてのような豪華な夕食会も開かれなかった。

 参列者のドレスコードも緩やかになった。

 2013年のオランダ国王の即位式では、東宮であった天皇陛下雅子さまが参列した。雅子さまは、日中の正装であるローブモンタント(長袖ロングドレス)をお召しだった。

 一方、チャールズ新国王の戴冠式では、ひざ丈のドレスやナショナルドレス(民族衣装)の装いで出席した各国のロイヤルメンバーもすくなくなかった。

 宮内庁関係者がこう明かす。

「英国側からドレスコードについて何度か連絡があり、その度に基準が緩やかになったと聞いています。最後は、ナショナルドレスでも構わないということになり、紀子さまも着物を選ばれたそうです」

■「一体どうされた?」

 戴冠式が執り行われるウェストミンスター寺院に向かう秋篠宮ご夫妻。にこやかに微笑むおふたりの写真は、世界に配信された。

 モーニング姿の秋篠宮さまの隣で歩を進める紀子さまが選んだ着物は、吉祥文様である松竹梅や小花や波柄、そして金彩がほどこされた淡い色の訪問着。七宝文様の袋帯には、慶事に合わせる白金の帯締と帯揚げ、金銀の祝扇をさしている。金色のバッグも明るさを添えている。

 紀子さまの帯は、18年にオランダ・ハーグ市を訪問しマルグリート王女と歓談した際や、19年の都内での公務でもお召しであった品だ。新調せずに、馴染んだ和装を選ぶ紀子さまに、不況が続く国内外への配慮がうかがえる。

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着物への「違和感」