丸山茂樹さんは、自身の10年を振り返り、未来への希望を語った。
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2013年に始まった連載も今回が最終回です。いやー、寂しい。10年やってると、生活の一部みたいなものですからね。
思えば連載開始の13年は転機の年でした。左手親指付け根の慢性亜脱臼が一向に治らず、もう4日間クラブを振れる状態じゃなくなった。そのとき僕の中で現役選手としてのともしびが消えた。
早めに次の方向性を決めないといけない。そう思っていたころ、テレビ局でスポーツ関係の仕事をしていた日大の先輩が「解説やってみないか」と声をかけてくれた。ありがたく受けさせてもらって、同じころにこの連載も始まりました。
その夏に松山英樹(31)と初めて会って、「アプローチを教えてください」と言われました。それからは彼とプライべートでごはんに行ったり、僕がメジャーの解説にも行くようになったら、現地でアプローチの質問をめいっぱいされたり。成長していく彼の姿がすごくうれしかった。
宮里藍ちゃん(37)の出現以降、国内では女子ゴルフ界が非常に栄えました。すごく華やかになった。うちのジュニアファンデーションに女の子がいっぱい出てくれて、それがいま双子の岩井姉妹を筆頭にツアーでも活躍してくれてるのがうれしいし、連載の中で「これからは海外でのインタビューに英語で答えられる選手が出てきますよ」と言ってたら大西魁斗君(24)が出てきた。
いま何人か海外からの「逆輸入」選手みたいな存在が出てきてるんで、必ず「男子もよくなったね」と言われる日が来る。これは「寝て待て」だけじゃダメだと思うんですけど、ある意味ジッと我慢して我々が業界を応援して、「第二の松山英樹」になるんだという志の高い選手がたくさん現れてね。そうやっていけば「男子もよくなった」と言われる日が来るはずなんで、僕は陰ながらジュニアの基盤づくりの部分で支えていけたらいいなと思います。