漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこさんが「どうする家康」(NHK総合 日曜20:00~ほか)をウォッチした。
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家康の生涯は「どうする?」事案ばかり、納得のタイトルだと思ったこの大河。が、フタを開けてみればコレ「どうする?」というよりも「どうした?家康」の連続だ。
はなから家康(松本潤)をロックオンし「俺の白兎」などとのたまい、その耳にかじりつく昭和のBL漫画のような「どうした信長(岡田准一)」。
「蹴とばしてぇ時に蹴とばしてちょうでぇ!」とハイテンションに尻を差し出しながら、瞳に光が無いサイコパス、「どうした秀吉(ムロツヨシ)」。
あまりにビジュアルが濃すぎてもはや武田テルマエ・ロマエの守(かみ)信玄(阿部寛)。いまわの際の言葉「黄泉(よみ)にて見守るううううううう」の「う」がロングトーンすぎる。
戦国武将が揃いも揃ってどうかしてれば、各話エピソードもイレギュラー。姉川の戦いで、お市の方(北川景子)が兄・信長に小豆袋を送り、夫の謀反を伝えたといわれる逸話では小豆を擬人化。侍女・阿月(伊東蒼)が危機を知らせるためフルマラソンの距離を走りぬく。
そもそも家康の側室たちが皆ダイバーシティー(多様性)の象徴のようなキャラなのだ。
お葉(北香那)は子を産み、役割を果たした後、「殿に触れられるたび吐きそうに……」とぶっちゃけ、実は想い人は女性であることを打ち明ける。