1922年に創刊し101年の歴史を刻んだ「週刊朝日」は今号をもって休刊します。休刊にあたって本誌ゆかりの女優・宮崎美子さんが、デビューのきっかけとなった表紙についてお話してくださいました。
【写真】篠山紀信さんが撮った! 1980年1月の週刊朝日の表紙を飾った宮崎美子さんはこちら
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1980年、20代で週刊朝日の表紙に載せていただいて、60代になった2021年の週刊朝日99周年記念号ではまた表紙にしていただきました。
デビューのきっかけになった表紙の写真を撮影してくださったのが篠山(紀信)さんで、60代になってカレンダーの撮影をしてくださったのも篠山さん。あの“還暦ビキニ”でお騒がせしたカレンダーです(笑)。
そして、表紙に再登場させていただいた年は、私の芸能生活40周年の年で、やっぱり撮影は篠山さん。あの時は、グラビアページでも篠山さんと2人で登場させていただきました。週刊朝日と篠山さんには強いご縁を感じています。
99周年記念号で篠山さんに撮っていただいたとき、“芸能生活50周年記念の時も”という話を冗談半分にしていたのに、休刊なんて……どうしてくれるんですか!(笑)
そもそも私が女子大生表紙企画に応募した理由は週刊朝日だからだったんです。当時の篠山さんは男性誌のグラビアで活躍しているイメージが強くて、何となく脱がせちゃうようなイメージがあったのですが、週刊朝日なら脱がされることはないだろうっていう安心感があったからなんです。たとえて言うなら母校のような安心感でしょうか。そんな母校が閉校になり、思い出や記憶は大事なものとして心に残っているけど、学校自体がなくなっちゃうんだというような喪失感があります。
たぶん年代的なこともあるのかもしれませんが、新聞や雑誌、普通の書籍も紙で読むほうが断然好きです。自分のペースで読める、ちょっと戻って読み返せる。電子書籍やネットで読む文章もいいとは思いますが、やっぱりページをめくりたいという思いがあります。実物として手元にあるというのも好きで、最初の表紙の号は今も大切に保管してあるんですよ。
週刊誌は毎週毎週、装いを少しずつ変えながら、きちんとした読み物が出されていく。これってすごい文化ですよね。活力だと思います。週刊誌を読んでいると、関心のある記事以外にも、「えっ?こんなのもあるんだ」という情報も載っていたという発見があるのがいいですね。私にとって週刊誌は情報との出会いの場でした。それが消えてしまうのは、本当に残念だと思います。
あっ! でもあくまで「休刊」なんですから、「復刊」だってありえるってことですよね。もし芸能生活50周年の年に復刊していたら、ぜひまた登場させてほしいです。
(取材・構成/本誌・鈴木裕也)
※週刊朝日 2023年6月9日号