【米ビルボード・ソング・チャート】リル・ナズ・Xが13週連続No.1、ヒップホップ・ソングとして歴代最長記録を樹立
【米ビルボード・ソング・チャート】リル・ナズ・Xが13週連続No.1、ヒップホップ・ソングとして歴代最長記録を樹立
この記事の写真をすべて見る

 リル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」が、通算13週目のNo.1に輝いた、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 今週も8,870万回という高視聴を記録し、ストリーミング・チャート、R&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートでも13週目の首位を死守した「オールド・タウン・ロード」。13週以上の首位獲得は、ビルボード史上12曲目の快挙で、2017年の夏に歴代最長の16週をマークした、ルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキー「デスパシートfeat.ジャスティン・ビーバー」以来、約2年ぶりの記録更新。ヒップホップにカテゴライズされる曲としては、エミネムの「ルーズ・ユアセルフ」(2002年 / 12週)を超える歴代首位最長記録となる。

 今週は、同曲が収録されたEP盤『7』の集計週だったため、アルバムのストリーミングやプロモーション効果により各ポイントが上昇。デジタル・ソング・セールス・チャートでは、週間59,000ダウンロードを記録し、前週の2位から1位へ、返り咲きの首位獲得を果たしている(通算9週目)。エアプレイ・チャートでは3位から4位にダウンしたが、週間8,250回と依然高い数字を維持している。

 その『7』は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で2位に初登場。 R&B/ヒップホップ・アルバム・チャート、ラップ・アルバム・チャートでは、それぞれNo.1デビューを果たした。本作からは、2ndシングル「Panini」が16位に、カーディ・Bをフィーチャーした注目曲「Rodeo」が22位に、それぞれデビューしている。

 「オールド・タウン・ロード」は、先日ニールセン・ミュージックが発表した2019年上半期に最もヒットした曲の1位にランクインした。おそらく、年間チャートでもNo.1を獲得するだろう。

 今週2位に初登場したのは、 ショーン・メンデスとカミラ・カベロのデュエット曲「セニョリータ」。 ショーン・メンデスは5曲目、カミラ・カベロは4曲目のTOP10入りだが、フィフス・ハーモニー時代の「ワーク・フロム・ホーム」(2016年 / 4位)を含めると、同5曲目のランクインとなる。

 両者は、2015年に「アイ・ノウ・ホワット・ユー・ディド・ラスト・サマー」でもコラボレーションしているが、同曲がマークした20位を大きく上回り、相性の良さを証明した。同じアーティストによるデュエット曲では、ブルーノ・マーズとカーディ・Bが、「フィネス」(2018年)と「プリーズ・ミー」(2019年)をいずれも3位に送り込んだばかり。

 その他、ビヨンセとジェイ・Z夫妻が「クレイジー・イン・ラヴ」(2003年 / 1位)~「デジャブ」(2006年 / 4位)~「ドランク・イン・ラブ」(2013年 / 2位)の3曲をTOP10にランクインさせたり、リアーナはドレイクと2曲、エミネムとも2曲のNo.1ヒットを送り込む等、いくつかのヒット事例がある。歴史を遡ると、オリビア・ニュートンジョンとジョン・トラボルタ、リンダ・ロンシュタットとアーロン・ネヴィル、ダイアナ・ロスとマーヴィン・ゲイ、バーブラ・ストライサンドとバリー・ギブの組み合わせが、2曲以上のTOP20ヒットを記録した。

 ショーン・メンデスは、今週14位にランクインしている前シングル「イフ・アイ・キャント・ハヴ・ユー」も、「オールド・タウン・ロード」に阻止され、最高位が2位どまりだった。「オールド・タウン・ロード」は、これで7曲を2位に留まらせ、首位を独走したことになる。「セニョリータ」は、週間4,670万視聴記録して、ストリーミング・チャートで2位にデビューしているが、1位の「オールド・タウン・ロード」とは倍近い差がある。デジタル・ソング・セールス・チャートでも、50,000ダウンロードを獲得して同2位に初登場したが、初動売上でも及ばず「オールド・タウン・ロード」から首位の座を略奪することは難しそうだ。先週2位に初登場したテイラー・スウィフトの「ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン」も、今週は13位まで急落している。

 TOP10以下では、フィーメール・ラッパー=リゾの「トゥルース・ハーツ」が11位まで上昇。この曲は、6月24日に開催された【BET Awards 2019】でパフォーマンスされたため、集計週である次週、シングルとしては初のTOP10入りする可能性が高い。同曲が収録されたアルバム『コズ・アイ・ラヴ・ユー』も、この曲のヒットを受けて前週の9位から6位にランクアップしている。

 20位には、ニッキー・ミナージュの新曲「メガトロン」が初登場した。昨年夏にリリースした4thアルバム『クイーン』以降、リード・シングルとしては初のリリースで、TOP20入りは「バービー・ドリームス」(最高18位)以来、約半年ぶりとなる。同日にリリースされた夏らしいミュージック・ビデオは、公開1週間で3,000万試聴を記録した。この曲が、『クイーン』に続く5thアルバムの先行シングルかどうかは明らかになっていない。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、7月5日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」リル・ナズ・X
2位「セニョリータ」ショーン・メンデス&カミラ・カベロ
3位「バッド・ガイ」ビリー・アイリッシュ
4位「トーク」カリード
5位「アイ・ドント・ケア」エド・シーラン&ジャスティン・ビーバー
6位「サッカー」ジョナス・ブラザーズ
7位「Suge」ダ・ベイビー
8位「マネー・ザ・グレイヴ」ドレイクfeat.リック・ロス
9位「ノー・ガイダンス」クリス・ブラウンfeat.ドレイク
10位「Wow.」ポスト・マローン