


年間を通して、家族連れだけでなく、カップルや若者たちにも人気の水族館。水槽の中でゆらゆらと泳ぐ生きものたちを眺めるのは楽しいが、実は水中に住む生物の生態は奥が深い。そんな、展示パネルに書いてある生物の名前や説明だけではわからない水族館の生きものたちの生態や豆知識を、スマートフォン(スマホ)で受け取れるサービスが、横浜市の水族館「八景島シーパラダイス」で行われている。
同水族館を運営する株式会社横浜八景島(横浜市)は、来館した人のスマホに向けて、館内のいろいろな情報を自動配信するサービスを開始。2014年9月30日まで試験導入をしている。同サービスは、ベイシスイノベーション株式会社(東京都中央区)の「beaconnect(ビーコネクト)」システムを活用したもので、「beaconnect(ビーコネクト)」自体には、米アップル社が提唱し、注目を集めている近距離無線通信「iBeacon(アイビーコン)」が用いられている。こうしたiBeacon系のサービスを用いた試みは、国内の水族館では初めてのことだという。
展示スペースの入口や水槽の近くなど、施設内の約40カ所にビーコン発信機が設置されており、例えば、ジンベエザメやアシカなど約500種類、10万点の生物が展示されている「アクアミュージアム」においては、入り口付近で、館内のマップを受け取れるといった具合だ。更に、水槽の前に近づけば、中で泳ぐ魚の生態などの情報がスマホに表示される。また、魚釣りが出来るアトラクション「うみファーム」では、餌の付け方をレクチャーするなどといった情報が届く。
情報を受け取るには専用のアプリ『beaconnect』(無料)が必要で、iOS版、Android版の両方が用意されている。
横浜八景島の担当者は「(このサービスを通じて)水族館の生き物の展示パネルだけでは伝えきれない、ちょっと面白い情報を知ってもらえれば良いですねいい」と話す。また、同サービスを通じて、来場者がまわったルートなどのログ情報を分析し、今後のサービス向上に生かす予定だという。
八景島シーパラダイスをますます楽しくしてくれそうなこのサービス。初めて行く人はもちろん、何度も行ったことがある人でも、新たな発見があるかもしれない。まずはアプリをチェックしてみよう。

