人工知能による対話型の自動応答ソフト「ChatGPT」の登場で、ますますAIに注目が集まっている。そうした中、「AI弁護士」の登場も現実味を帯びてきている。法律相談の形はどう変わるのか。AERA 2023年3月20日号の記事を紹介する。
【「将来なくなる仕事」をChatGPTに聞いてみた結果はこうなった!】
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「2割司法」という言葉がある。
トラブルに巻き込まれたとき、弁護士を訪ね、裁判所にたどり着く人は2割にすぎない、という意味だ。泣き寝入りをしたり、相談するという発想にすら至らなかったり。とかく、法律相談のハードルは高い。
その壁を取り払おうと、「弁護士ドットコム」は2007年から、インターネット上で弁護士が相談に応じる「みんなの法律相談」を運営。これまでに100万件を超える相談が寄せられ、法律トラブルの解決をサポートしている。
だが、利用者が増えるにつれて「難しい」相談も増えてきた。
「弁護士と利用者の知識の非対称性がネックでした」
そう吐露するのは、同社技術戦略室長の市橋立(いちはしりつ)さんだ。ほとんどのユーザーにとって、法律相談は一生に一度するかどうか。関係のない相談を書き連ね、肝心な部分が抜けてしまうことも多い。
そこで、注目したのがChatGPTだった。
「蓄積した法律相談をAIに学習させ、利用者と対話形式でナビゲートすることで、相談をわかりやすくまとめられるようになります」(市橋さん)
AIだから相談できる
弁護士に相談すべきか、するならばどの弁護士が適切か、なども提案。いわば、オンライン上のパラリーガルの位置付けだ。
では、近い将来、AI弁護士が登場すれば、人間はいらなくなるのだろうか?
「想像しちゃいますよね。でも、その可能性は限りなく低いと見ています」
と同社広報室長の後藤顕治さんは、否定する。
裁判では原告と被告の双方の人生がかかっている。