上昇を続ける日本の未婚率。「婚活」という言葉もここ数年ですっかり社会に定着した。本書は独身女性ライターが、婚活に勤しむ女性たち12人への取材をまとめたルポルタージュである。
 自分に自信がないから、親の圧力で……など婚活に踏み込む動機は人それぞれで、方法もネットの紹介サービス、お見合いバスツアー、結婚相談所など多岐にわたる。共通するのは、どれだけ男性と会う回数を重ねてもうまく行かないケースが大半ということ。「婚活難民」と化して東奔西走する女性たちの姿が描かれる。
 なぜ彼女たちは「結婚」に必死になるのか。親のため、会社のためといった外的要因もあるが、それだけではない。なにより彼女たちは「誰かに愛情を注ぎたくてたまらない」のである。だからこそ男性を見極める視線は厳しくなり、結果、婚活は迷走する──著者が指摘する逆説は胸に迫る。ご祝儀袋をイメージした装丁もタイトルもポップだが、読了後は当事者たちを簡単には笑い飛ばせなくなる。

週刊朝日 2013年6月21日号