米大手通信事業者のベライゾン(Verizon)が、西部の州から未契約ミュージシャンを発掘するため、ロサンゼルスのマネージメント“Cookman”およびNacional Recordsと提携した。すでにグラミー賞受賞プロデューサー、アンドレス・レヴィン(Andres Levin)とのレコーディングの話もあるようだ。

 “Musica Unsigned(未契約音楽)”と称したコンテストがウェブ上で発表されており、どこのレーベルにも所属していないアーティストが4月16日までに自分達に関する情報と音楽をメールでCookman(クックマン)に送付すればコンテストに参加できる。

 レーベルおよびマネージメント会社を1社ずつ所有し、アナ・ティジュ、キンキー、ロス・アミーゴス・インヴィジブレスなど、様々なラテン系オルタナティブ・アーティストを支援しているトマス・クックマン。【ラテン・オルタナティブ・ミュージック・カンファレンス】も設立しており、今年は7月7~11日にニューヨークで開催される。また、Nacional Recordsは今年の【ビルボード・ラテン・ミュージック・アワード】にて、年間最優秀ラテン・リズム・アルバム・レーベル賞にノミネートされている。

 クックマンはコンテストのサイトにて、「才能あるミュージシャン達がそれ相応に注目される機会を設けることに常に興味がありました。従って、Musica Unsigned立ち上げのためにVerizonの素晴らしい人たちと手を組んだのです」と説明している。

 コンテストでは30組のアーティストが最終選考に選ばれ、彼らはビデオを作って自らを宣伝しファンや影響力のある人々とつながるために、HDカメラ、タブレットなどの“Verizon Tool Kit”を受け取る。その後、ウェブ投票で選ばれた5組の準決勝進出者の中から優勝者が決まる。

 なお、応募の地理的条件が細かく限定されており、ワシントン、ユタ、コロラド、カリフォルニア、アリゾナの各州か、テキサス州エルパソ在住の人のみが応募できるようだ。優勝者はヒューストンに飛び、アンドレス・レヴィンとのレコーディングを行う。

 レコード契約は賞に含まれていないものの、Nacional Recordsに合わないものも含めた様々なジャンルを募集するとのことだ。クックマンは、「Nacional向けのアーティストを見つけるのではなく、アーティストにチャンスを与えるためのものです。私が同プロジェクトに惹かれるのはそこなのです」と説明している。