安倍夫妻と交友があった男性は昭恵さんの胸中をこうおもんぱかる。
「昭恵さんは、店の女将としてこのままUZUを続けてはいけないと思ったんでしょう。心労もあるし、店に出たら、経営のことも考えなきゃいけない。晋三さんが亡くなってからは、当たり前だけど、洋子さんも昭恵さんもすごく寂しい思いを抱えている。今はお互いに何のわだかまりもなく、仲良くやっていますよ」
10月28、29の両日、昭恵さんは衆院山口4区の山口県下関市と長門市で開かれた後援会の会合に出席。その会合では、両市の安倍事務所を年内で閉鎖する方針であることが秘書から示されたという。安倍事務所にその理由を尋ねると「もう、(安倍晋三)代議士がいませんから……」と言葉すくなだった。
安倍氏の支援者はこう語る。
「事務所を閉めたのは昭恵さんの意向もあると思います。主がいない中で、維持経費もかかるし、秘書の人件費も払わなければならない。なるべく早いうちに身の振り方を考えたということだと思います」
一部では、後援会も閉鎖するのではと報じられたが、
「支部の小さな組織は閉めたところはありますが、(選挙区の)後継者も決まっていないですし、今、後援会自体がなくなることはありません」(前出の支援者)
昭恵さんは、現時点では立候補する意思はないことを表明している。衆院山口4区の補選は来年4月にも行われる予定だが、安倍氏の地元支援者は「昭恵さんが立候補する可能性はゼロではない」と話す。
「昭恵さんご本人には『ないから』と言われましたが、私どもは出てくれるのが一番いいと思っています。特に後援会の女性部から希望が出ています。思想・信条的にも、晋三さんの意思をしっかりと受け継ぎ、後継者としてふさわしい人に託したい。晋三先生が残した組織ですから、後継者が決まるまでは見届けたいという支援者は多いですよ」
悲劇から100日以上がたった。自らの店と地元事務所を閉じて、昭恵さんが次に歩もうとするのはどの道なのか。静かに見守りたい。(AERA dot.編集部・上田耕司)