本当に久しぶりの雅子さまの声だった。最後に聞いたのは02年。愛子さま誕生後の会見で、出産時の思いを「生まれてきてありがとう」と語り、涙ぐんだ。その後、体調を崩した雅子さまは会見に臨むことはなくなり、毎年の誕生日も「ご感想」を文書で発表するだけだった。
それから17年。高く明るい声に雅子さまの今の心境を思い、うれしくなった。前向きに皇后としての道を歩く雅子さま。
きっとヘアスタイルは、これからも変わっていくだろう。働き方との関係、時代の空気。雅子さまのさまざまな判断、思いが投影されるに違いない。
願わくば、それを国民に語っていただきたい。ありのままに思うところを、言葉にしていただきたい。
この夏、那須で聞こえた、明るく、高い声で。(コラムニスト・矢部万紀子)
※AERA 2019年9月23日号