これからさらに発展するデジタル社会では「算数的思考力」が特に大事……頭ではなんとなくわかっていても、子どもから聞こえてくるのは「算数は苦手」「つまらない」という言葉の数々。算数を好きでい続けるためには、どんな体験をさせてあげたらいい? また、これから算数力を上げるためにおすすめの本とは? 『AERA with Kids春号』(朝日新聞出版)では、中学受験算数の指導を経て幼児さんすう教育に取り組んでいる、大迫ちあきさんに、算数の本質を楽しみながら思考力をつける本や図鑑について教えてもらいました。
![大迫ちあきさん。大手個別指導塾での中学受験の算数指導を経て、幼児さんすう総合研究所代表取締役に。著書に『算数ができる子の親がしていること』(PHP研究所)など](/mwimgs/a/3/780mw/img_a33b6da27fd73d719cb4de69f5ec3501111948.jpg)
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これまで数多くの子どもたちに算数を指導してきた大迫ちあきさんは、「子どもを算数ギライにさせないためには、算数のおもしろさを体験させてあげるのがいちばん」と話します。
「算数は『むずかしい』『おもしろくない』と思われてしまう教科の筆頭です。しかも積み重ねの教科であるぶん、キライになるとあとが大変。そこで、算数に興味のない子やむずかしそうと思っている子たちが、“算数っておもしろいかも”と思えるものをたくさん読んで体験してほしいですね。選書のキーワードはズバリ“楽しい”です」(大迫さん)
大迫さんおススメの本は全部で7冊。ジャンルはいろいろですが、どれも意識しないうちに算数の楽しさやおもしろさにハマってしまうとか。
例えば「へえ!」「そうなんだ!」と感心しながら読める算数トリビアを集めた『算数なるほど大図鑑』、自然界の数字の法則として有名なフィボナッチ数列を見つけた人物の物語、『フィボナッチ』などは、算数の奥深さを知る入り口になってくれるでしょう。高学年以上の子なら、算数を使った謎解きが楽しめる向井湘吾さんの小説『トリプル・ゼロの算数事件簿』『お任せ!数学屋さん』は、算数好きの子も苦手意識がある子もハマる本。実際、教室の生徒たちの間では「おもしろい!」と大人気なのだそう。
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