家の買い替えを検討する場合、様々な課題に直面することになる。中古マンションならではの課題もある。売却、購入、そしてリフォーム。お金で失敗しない方法を専門家に聞いた。
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家の買い替えで新しい物件を購入する場合、新しいローンを組むことになる。比較的年配になってからローンを組むときに心配なのは、定年後に年金で返済を続けられるかどうかだ。
融資のための年齢規定は、完済時年齢満80歳、81歳未満とする銀行が多い。つまり、50歳でも、審査上は30年返済まで可能だ。
ファイナンシャルプランナーで信共社長の中村諭さんはこんな考え方もあると教えてくれた。
「変動金利型なら0%台の超低金利な上、ローン残高の1%のローン減税があります。ローンを組んでも利息分以上に税金が返ってくる、実質的なマイナス金利なのです。しかも、長い返済期間のほうが元金の減り方が遅く、その分減税額が多くなります。年配の方でも30年ローンを組んで、ローン減税が終わる10年後に退職金などを利用して一括返済するといった考え方をとっても、ライフプランのうえで問題なければいいのではないでしょうか」
一方、共働き世帯が住宅ローンを組む際は、2人分の収入があれば余裕を持って返済できるはずと考えがちだ。
だが中村さんは「共働き世帯は専業主婦世帯に比べて、リスクが3倍になる」と警告する。一体なぜ?
「2人で返済する場合、予定通りにいかないのは(1)夫の収入がなくなるケース、(2)妻の収入がなくなるケース、(3)2人とも収入がなくなるケース──の三つが考えられるからです」
それだけに、2人で返済できる目いっぱいの計画を立てるのではなく、最悪1人の収入になっても何とか返済していける程度にゆとりのある資金計画が欠かせない。
万一の際に備えた団体信用生命保険も、2人とも加入しておくのが安心だ。
資金繰りの問題をクリアすれば、決着まであと一息。最後の課題は、物件のリフォームだ。
築年数が長くなってくると、室内には汚れが目立ち、設備は古くなっている。間取りや設備が今の自分たちのライフスタイルに合わないといった問題も起こりがち。不動産の総合管理・売買・仲介を手がける柴総合計画代表取締役の柴英寿さんは、入居前のリフォームを勧める。