「柳瀬を一言で説明すれば上司の顔色ばかりをうかがう『究極のヒラメ官僚』。私たちが電話すると普通に『柳瀬です』と出るが、それが上司からだと『はい、柳瀬でございます!』と声が2オクターブ上がる。その様子が面白くて、柳瀬がいないときにそれをまねする人も多かった」
柳瀬氏は、安倍首相の側近中の側近で経産省の先輩にあたる今井尚哉首相秘書官が官邸に招き入れたとされる。
「合コンの法則と同じ。自分より優秀な人間は招き入れず、イエスマンを集めている」(同前)
安倍政権は今井秘書官を筆頭に、「経産省主導政権」とも言われる。政治ジャーナリストの角谷浩一さんはこう懸念する。
「霞が関のなかでも経済産業省の官僚はフットワークが軽く、一種のいいかげんさも持ち合わせている。エリートから見れば民間企業のノリに近い異色の存在だが、経産省主導政権でそれが霞が関の常識になり、文書管理などにも、ある種いいかげんな部分が出てきているのではないか」
愛媛県の文書は農林水産省でも見つかり、疑惑は深まるばかり。柳瀬氏の記憶はどうなるのか。
(編集部・澤田晃宏)