墨田区によると、同区の工場数は今でこそ大田、足立に次ぐ都内3位だが、70年ごろは約1万軒を数え、23区で最多。70年代後半の調査では後継者難や小資本での事業継続といった問題があぶり出され、ブランド化の必要性が意識されたことがある。

 これが06年の東京スカイツリー誘致決定で具体化し、区は「すみだ地域ブランド戦略」を09年にスタート。区内事業者とデザイナーのコラボで、商品のブラッシュアップや新アイテムの創出に乗り出し、「すみだモダン」の認証制度も始まった。

 20年には東京オリンピック・パラリンピックがある。区で地域ブランドを担当する佐藤大吾主事は「台湾とのコラボには販路を広げるという意味がある」と期待を寄せる。(ジャーナリスト・松田良孝)

AERA 2017年12月4日号より抜粋

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