日本航空客室品質企画部の畠中健太さんも、アプリの効果を感じている。
「腕立て伏せをした後の腕のような疲れがありました。1週間くらい使用すると、違和感がなくなったので、ちゃんと鍛えられているんだなと実感しました」
客室乗務員だけでなく、空港スタッフなども、笑顔を意識している。予約センターの電話対応スタッフの中には、手元に手鏡を置き「笑声」を意識している人もいるそうだ。
「笑顔の時とそうでない時では、電話口の声のトーンも変わってくるのでは」(畠中さん)
実際、感性工学を研究する早稲田大学招聘研究員の菅原徹さんは実験を基に、笑顔と声の関連性について見解を出している。
「笑顔で話すことにより口腔と鼻孔が開くので、声が反響して通りやすくなります」
資生堂は今後、日航スタッフの使用感などを踏まえ、アプリの改良を進めていき、まずは法人向けのコンテンツ作成を進めていく予定だ。
「アプリの使用で、行動や意識がどう変化したかなどを聞いていきたい。将来は海外向けの開発も行っていきたいと思います」(前出・石川さん)
(編集部・小野ヒデコ)
※AERA 2016年11月7日号