近年、男女ともに「結婚難」とも言える状況が続いているようだ。男性全体の結婚難には、「適齢期」に男性より女性が少ないことに加え、経済問題がある。2000年代に非正規雇用という労働形態が一般化、非正社員が全雇用者に占める割合は12年には35.2%に達し、平均年収も下がった。雇用者の平均年収は1997年の467万円をピークに11年には409万円になり、年収200万円未満の人も1千万人を超える(国税庁調べなど)。
年収が200万円未満の場合、自身の生活だけで精一杯で、とても結婚どころではない。女性に興味がなく性欲も少ない「絶食系男子」も、この層にいるとされる。
事実、アンケートでも概ね年収が低いと結婚への意欲は弱く、高くなるにつれ結婚したいという思いは強くなる傾向がある。「一度もセックスしたことがない」「3年以上ない」のも年収の低い層に多い。
では、高年収層は生活を考慮せず悠々と結婚できる状況にあるのだろうか。高年収層は別の問題を抱えている、と指摘するのは『中学受験は親で勝つ』の著書もある精神科医の和田秀樹さんだ。