作家の室井佑月氏は、日本原子力発電や防衛省の隠蔽を批判する。
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2月7日の朝日新聞DIGITALにこんな記事が載った。「敦賀原発の断層『生データ』無断で書き換え 日本原電」
どういう記事かというと、
「日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の新規制基準に基づく審査で、原電が、原子炉建屋直下に活断層があるかどうかの判断に必要な調査資料の記述を書き換えていた。(中略)書き換えられたのは、原電が2012年に敷地内で実施したボーリング調査の結果。採取した地層の観察記録で、18年の審査会合の資料では『未固結』などとしていた記述が、この日は『固結』に変わっていた」
なぜそんなことをしたのか?
「敦賀2号機は原子炉建屋直下の断層が活断層である可能性が指摘されており、審査で活断層と判断されれば運転できなくなる。ボーリング調査の結果はこの判断を左右する」から。
すげぇよな。「未固結」と「固結」って真逆の意味じゃん。原電の和智信隆副社長は、「悪意はない。意図的ではない」などといっているが、わざわざ前の記述を削って書き直したわけで、悪意も意図もバリバリじゃん。
お次は2月8日の東京新聞。「辺野古、70メートル超も『軟弱』 地盤調査、防衛省伏せる」という記事だ。
「沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設を巡り、埋め立て予定海域で防衛省の想定に反し、海面下七十メートルより深い海底の地盤が『軟弱』であることを示すデータが検出されていたことが分かった。『七十メートルまで地盤改良すれば施工可能』という同省の設計の前提は、根底から覆る可能性が出てきた。同省は『業者が独断で行った調査で信頼性が低い』としてこの実測データを採用せず、調査した事実すら伏せていた」
こちらも防衛省整備計画局が「隠す意図はなかった」とコメントした。信じられるか?
どうしても敦賀原発2号機を運転させたかったのだろうし、辺野古に米軍基地を造りたかったのだろうよ。