先日、初めてフミヤさんのコンサートに伺いました。知ってはいたけどフミヤさん、改めて独特な声質の持ち主であることを実感。終始、あるはずのない子宮が疼きました。しかも、ちっちゃな頃から慣れ親しんできた「フミヤ節」が、いつの間にかとてつもない進化を遂げているではありませんか!

「フミヤ節」の肝と言ったら「い」と「う」を「巻き舌」する発声法です。♪君のことを守りたい~♪の「いウィ~」や、♪誰のためでもなく~♪の「くウゥ~」。確かに年々その部分の倍音加減が増幅しているなとは感じていたものの、私が生で聴いた限りでは、もはやそれはモンゴルのホーミーでした。特に『夜明けのブレス』と『Another Orion』。早急に「フミヤ節世代」は歌い方をアップデートする必要があるでしょう。何はともあれ、藤井フミヤの「性(さが)」全開のステージでした。ひょっとすると真剣にホーミーに取り組んでいたりして……。

週刊朝日  2019年9月13日号

【週刊朝日編集部からのお知らせ】

いつも『アイドルを性(さが)せ!』をご愛読くださり、ありがとうございます。この連載は2016年5月から週刊朝日で始まりましたが、このたび書籍化して、単行本『熱視線』(本体価格1400円)として発売されました。連載の内容を大幅に加筆修正し、ミッツさんご自身が描いているアイドルの似顔絵(AERA dotでは未掲載)も収載しています。装丁にもこだわりました。毒と愛を込めて作った一冊です。ぜひ、紙の本でじっくり味わってお楽しみください!

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