そして、6月には麻生太郎金融担当相が金融庁に諮問した、65歳の夫と60歳の妻が30年生きると2千万円が必要になるという高齢者の資産形成についての報告書のデータに関して、国会で野党に追及され、「報告書に問題があり、受け取りを拒否する」と宣言した。だが、この報告書では、別のページに、このケースでは夫婦は約2500万円の貯蓄がある、と明記されているのである。
麻生氏は、おそらく報告書をまったく読まないで、「受け取りを拒否する」と言ってしまったのだろう。私が、自民党の幹部数人に、「麻生氏はまったく間違っている。撤回させたほうがいいのではないか」と言うと、誰もが「田原さんの言うとおりだが、担当大臣に発言を撤回せよ、とは現状ではとても言えない」と答えた。
これが、現在の自民党の大問題で、森友・加計問題あり、厚労省の統計不正問題ありと、少なからぬ自民党議員たちが思っているはずだが、それが言えなくなっているのだ。
自民党は、自由で民主的な党ではなくなりつつある。だから、野党、そして国民を軽んじる安倍内閣の態度に議員たちは何も言えない。となると、私たち国民が言うべきことを声を大にして言わなくてはなるまい。
※週刊朝日 2019年7月26日号