だが、検察は再逮捕でゴーン被告をまたも「長期拘束」できるカードを握ったことも事実だ。ゴーン被告の弁護人である弘中惇一郎弁護士は4日午前、特捜部による再逮捕について、不適切な方法であると強調し、勾留は必要ないと徹底抗戦する方針だ。特捜部にかつて在籍した元検事の弁護士はこう話す。
「今回の事件は海外が舞台で、裁判の立証が大変な事件。ゴーン被告が会見して『オレは悪くない、日産こそが悪い。検察と癒着している』などと主張され、日本だけでなく海外の世論がそちらに向かうとやりづらい側面がある。ゴーン被告が保釈になった時、インターネットの使用は制限するというものがあったにもかかわらず、ツイッターで発信をしたとされる。逮捕して自宅を捜索し、保釈条件に反している証拠をつかめれば、検察はさらなる長期拘束を主張するはず。ゴーン被告の弁護士は、勾留に反対と裁判所に徹底して訴えるだろう。どちらの主張が裁判所に認められるのか、見ものだ」
ゴーン被告の初裁判前に、熾烈な攻防の第1ラウンドがはじまっているようだ。(今西憲之)
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