民進党分解のドタバタ劇の中で生まれた立憲民主党が、水面下で蠢きだした野党再編のカギを握る。枝野幸男代表がジャーナリストの田原総一朗氏に吐露した本音とは?
田原:2017年の国会は森友・加計問題で持ち切りでした。特に森友学園の問題では11月に会計検査院が、国有地の売却価格が8億円以上も値引きされた根拠が不十分だと指摘した。この問題はどう考えますか。
枝野:会計検査院の指摘によって、国有地の取引に問題があったことははっきりしました。もう、疑惑追及の局面ではないんです。安倍首相自身が検査院にチェックしてもらうと言っていたわけですから、その結論に基づいてけじめをつけなければいけない。ボールは政府にあります。
田原:ただ、安倍首相は国会でこの件について問われると「官僚たちが問題ないと言ったから、そうかと思った」という趣旨の答弁をするなど、まるでひとごとだった。
枝野:官僚たちの報告が間違っていたなら、官僚を処分した上で、監督責任のけじめをどうつけるのかを答えなければおかしい。そこにどう答えていくのかが、今後のポイントです。
田原:国会で国有地の価格を事前に提示したり交渉したりしたことはないと、事実と違う答弁をしていた財務省の佐川宣寿理財局長が、今や国税庁長官に出世している。野党や国民をばかにしているよね。
枝野:野党をばかにするだけなら永田町の狭い世界の話ですが、国民、納税者がばかにされているんです。今、野党は少数勢力で内閣不信任案を出しても通らない。今は国民運動を起こす局面だと思います。つまり、国民がみんなで税務署に声を上げようと。「あなたたちの長官は、資料を捨て、国会でいいかげんな答弁をしているのに、なぜ私のこの申告を認めないんだ」と。そうした声を草の根レベルで広げていくのが、ここからの仕事と思っています。
田原:どうも日本の国民はそこを諦めている感じなんですよね。安保関連法にしても学生たちの一部が立ち上がっただけ。米国や欧州なら大デモになりますよ。