民進党が実施したヒアリングで籠池氏が公開したメールのやりとりも、「籠池は少なくとも主犯ではない」ことをうかがわせる。このメールは当初、近畿財務局から国有地のボーリング調査データの提出を求められたキアラ及び藤原工業と、当時、森友学園の顧問弁護士を務めていた酒井康生氏でやりとりされていた。この間、籠池サイドにはなんの報告も上がっていない。にもかかわらず、<工事に関わるボーリング調査に関する資料は抹消いたしました>(16年4月10日付キアラのメール)などと、極めて重要な話が、籠池そっちのけで次々と決まっているのだ。籠池氏本人も「今、改めて当時を振り返り、このメールのやりとりを発見し、驚いている」と述べているが、確かに、印刷されたメールの文言や、業者・弁護士・財務省のやりとりを時系列で並べてみると、籠池サイドが完全に蚊帳の外に置かれていたことがよくわかる。

「僕、ほんまに知らんのよ。みな僕にあれこれ聞いてるけど、とりわけ、平成28年の春に酒井弁護士と契約してからはほんまに何も聞かされてない。わからんうちに、こうなってしもうた。世間の誰よりも、真相を知りたいのは僕や」

 安倍首相、この問題を政局にしたのはあなただ。

 あなたの予想とは裏腹に、深い関与が次々と明るみに出た以上、昭恵氏を証人喚問し、潔く、腹を召されてはいかがか?

週刊朝日 2017年6月9日号

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