再稼働を国策として進める安倍首相が伊勢志摩サミットに出席していた5月26日、東京都内では小泉純一郎元首相が講演会で、脱原発の声をあげていた。
「原発は安全、コスト安、クリーンというが、全部うそ。そう何回も言っているが、政府から『小泉さん、うそ言わないで』と言われたことはない。だって、本当のことなんだから」
「もう一回事故を起こさないと、日本は原発ゼロにしないのかと危惧する。ひとたび事故を起こすと取り返しのつかないことは、もうわかっているのに」
ただ、株主の目には、電力会社経営陣の動きは鈍いように映る。「脱原発・東電株主運動」世話人の木村結さんは「震災直後こそ、役員はずらりと並んで頭を下げたが、そんな姿勢は最初だけ。今は原発事故を忘れたかのような印象です」。
原発頼みの経営を続けている経営陣が「新しい判断」に踏み込む日は、訪れるのだろうか。
※週刊朝日 2016年6月17日号