週刊朝日で好評連載中の「美意識ある生活」。生活品評論家の東海左由留(とうかい・さゆる)さんが厳選したひと品を紹介している。東海さんは日本とヨーロッパで「生活をより豊かに」をテーマに様々なアイテムやサービス、ライフスタイルを取材。自腹で購入し、時間をかけて使用感を検証している。
今回は、一保堂オリジナルの片くち抹茶Q’sを紹介する。
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■一日が清々しく始まる、朝の抹茶タイム
朝飯前に一仕事するのが習慣。身支度をする間にお湯を沸かし、一保堂オリジナルの片くち抹茶Q’sを用意。約200cc分の抹茶を点(た)てられるので、目覚めの一杯に適量なのだ。行儀は悪いが、仕事机でお薄を点てる。早朝の静けさの中で茶筌(ちゃせん)の音を聞くと、清々しい気持ちで一日のスタートを切れるからだ。
この抹茶専用の器、一つひとつ職人の手仕事でつくられたものだが、使ってみると「なるほど!」と膝を打つ工夫が施されている。たっぷりの量が点てやすいように深めのつくり。縁から2センチほどのところに窪みがあり、注ぐときに持ちやすく、また湯量の目安になる。注ぎ口は広めで、とろみのある抹茶をカップに注ぎ分けやすい。
私にとって抹茶は普段使いのお茶。茶葉をそのまま石臼で挽いているから、緑茶の成分を丸ごと取り入れられるし、ふくよかなうまみをより味わえる。おまけに、茶殻が出ないので後片付けも簡単。気軽に楽しみたい。
<今日の逸品>
片くち抹茶Q’s(まっちゃきゅうす 一保堂和ふきんと栞付き) 1万2000円
抹茶篩(まっちゃぶるい 市原平兵衞製竹べら付き) 1200円(どちらも税別)
問い合わせ先:一保堂茶舗
※週刊朝日 2015年1月16日号