日経平均株価は、7月の参院選直前に一時1万4900円台まで駆け上がったものの、このところ1万3500円前後を行ったり来たりしている。売買する投資家は激減し、かつての勢いがまったくない。この膠着状態を打破する材料として注目されているのが、2020年の「東京五輪」の開催だ。専門家たちは上昇する銘柄のテーマとして「開催進行」を挙げる。
「私の大本命はスポーツイベントの企画運営会社セレスポです。入場門や観客席の設営、観客の誘導など、ハードとソフトのノウハウを備えており、受注の期待が持てる。機材の保有も国内トップです」(アジアを拠点とする運用会社でファンドマネジャー兼アナリストを務める逆張〔ぎゃくばり〕花道氏・50)
同社は、国体やプロゴルフトーナメント、企業運動会など幅広いスポーツイベントの運営を手がける。同じく推奨する金融情報会社スリーアイの竹田嘉文氏(38)によれば、機材搬送用のトラックを100台以上配備しているという。
警備会社も注目されている。開催中はテロや盗難防止のための警備の需要が高まる。プロたちが注目するのは綜合警備保障だ。
「綜合警備保障は人海戦術で警備することに強みを持っている。訓練された警備員を派遣できる同社にとって五輪は追い風です」(外資系運用会社に勤めるアナリストの河島なお美氏/仮名・38)
綜合警備保障は、ロンドン五輪女子レスリング金メダリストの吉田沙保里選手などをCMに起用していることから、連想もしやすいという。ただ、「東京五輪」では、レスリングは実施競技でなくなる可能性もあるが。
※週刊朝日 2013年9月13日号