テレビやラジオにも出演し、幅広く活躍する科学者・サイエンス作家の竹内薫さん。「娘を通わせたいと思える小学校がない」と、自らスクールをつくった竹内さんが、実現しようとしている教育とは何なのか。「AERA English特別号『英語に強くなる小学校選び2019』」の取材で語った。

YES International Schoolでの授業の様子(写真/岡田晃奈)
YES International Schoolでの授業の様子(写真/岡田晃奈)

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 小学校中高学年でアメリカ、大学院でカナダと、合計約10年間の海外生活を送った経験がある竹内さん。それだけに、英語の必要性を痛感していたという。

「今やインターネット上の言語も、学術論文も英語。ほとんどの企業がグローバルにビジネスを展開しているし、世界中どこにいても、英語ができれば、電話、メールなどでやりとりでき、国境を越えてビジネスが成立します。英語が身についていれば、できることの幅がグンと広がるのです。私自身、英語の本の翻訳が苦労せずにできるなど、現在の仕事にも英語力が役立っていると実感しています」

■「第4次産業革命」で多くの仕事がAIに

 また、子どもたちが成人する15年後の社会を、科学者の視点で見据える。その頃には「第4次産業革命」の波によって、今ある仕事の半分以上を人工知能(AI)が行うようになるとも言われている。

「AIに仕事を奪われ、使われる人間にならないためには、AIを開発したり、使いこなしたりする側にならなければいけません。となると、これからの子どもたちにはプログラミングのスキルが必要となるでしょう」

 プログラミング言語は英語圏で開発されているもの。英語を習得しながらプログラミング言語を習得するほうが、論理的にスムーズに理解できる、と語る竹内さん。自身もプログラマーとして仕事をしていた時期があるが、日本でプログラマーが足りない理由の一つには、英語の壁もあると感じているという。

■三つの要件を満たす学校がない

「そこで娘には、日本語での教育に加えて、英語とプログラミングもしっかり学ばせたいと考えていました。娘が保育園の年中頃から、いろいろな小学校を見学したのですが、この三つの要件を満たす学校は見つからなかったんです」

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阿部桃子
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