福島の原発事故をめぐる裁判で、国と東京電力に責任があると初めて判決が出された。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、朝日新聞編集委員・上田俊英さんの解説を紹介しよう。
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東京電力福島第一原子力発電所(原発)の事故をめぐる裁判で、前橋地方裁判所(群馬県)が3月17日、国と東京電力(東電)の責任を認める初めての判決を出した。事故を招く巨大津波が来ることを予見(認識)できたのに、対策を怠ったと判断した。
この裁判では原発事故で群馬県に避難した福島県民ら137人が、平穏に暮らす権利を侵されたなどとし、国と東電に総額約15億円の損害賠償を求めていた。
裁判では「避難指示区域」からの避難者と「自主避難者」が一緒に戦った。判決は国と東電に対し、自主避難者43人を含む62人に、計3855万円を支払うよう命じた。
2011年3月11日に福島第一原発を襲った巨大津波は、高さ15.5メートル。海抜10メートルの敷地に立つ同原発の1~4号機では非常用のディーゼル発電機が水没するなどして、電気の供給が途絶えた。
このため、運転中だった1~3号機では原子炉が冷やせなくなり、核燃料が溶融。大量の放射性物質が広い範囲にまき散らされた。
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