2016年も日本や世界で、さまざまなニュースや事件があった。一年を振り返り、どんなことが起きたか確認したい。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、立教大学生涯学習センター講師の早川明夫先生監修の「重大ニュース 2016」から、災害と原発についてのニュースを紹介しよう。
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地震や火山噴火が多く、災害列島といわれる日本。そんな環境に立つ原子力発電所(原発)は本当に安全なの?
日本は世界有数の地震大国だ。内閣府によると、全世界で発生するマグニチュード(M)6.0以上の地震の20%は、日本列島とその周辺で起こる。
2016年も、4月に震度7の熊本地震が発生。10月には鳥取県中部で震度6弱の地震があった。
これほど地震が多いのは、日本が地球を覆う巨大なプレート(岩板)がひしめき合う場所にあるからだ。プレート同士がぶつかると地下にひずみがたまり、しばしば大地震を引き起こす。地震を起こすおそれのある活断層も2千以上、見つかっている。
実際、日本では1995年の阪神・淡路大震災のころから大地震が相次いでいる。そして、大地震が心配な場所は、日本中にたくさんある。なかでもフィリピン海、ユーラシアの両プレートがぶつかる「南海トラフ」では、M9級の巨大な海溝型地震が起こる可能性があり、最悪の場合、約32万人が亡くなると推計されている。
大地震が多いと、心配なのは原発だ。東日本大震災では福島県にある東京電力福島第一原発が水素爆発し、ぼうだいな量の放射性物質をまき散らした。福島県ではまだ8万5千人近くが避難生活を強いられている。
そんな人びとの気持ちが表れたのだろう。7月の鹿児島県知事選挙、10月の新潟県知事選挙で、原発の再稼働に慎重な候補者が相次いで当選した。ともに原発をもつ県だ。
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