まず、算数の分野は全部で7つあります。

◯数の性質(倍数・約数、分数など)
△速さ(旅人算、通過算、流水算、時計算)
◎割合(倍数算、相当算、食塩水、商売など)
△平面図形
△立体図形
◯場合の数
◎特殊算(和差算、仕事算、年齢算、植木算など)

 このなかで、◎印は比較的どの子どもでも点が取りやすい分野、◯印は得手不得手があったとしても、演習を繰り返せば得点力につながりやすい分野、△は基礎に戻って取り組むには時間がかかりすぎてしまい、受験まで間に合わない可能性が高い分野です。もし◎印や◯印のなかで、取れそうでときどきミスをしてしまう問題があったら、それは受験本番で得点につなげられるチャンス。類問を解いて確実にしておくといいですね」

 しかし、そうはいっても△印の問題はどこの入試でも見かけることの多い分野です。この分野は全く準備しておかなくて良いのでしょうか?

「そんなことはありません。もし『速さ』『平面図形』『立体図形』などが苦手な場合でも、大問の(1)(2)は比較的基礎問題でできていることが多いのです。応用の(3)は歯が立たなくても、(1)(2)なら点をとることは可能。この基礎部分を確実にしておくのが賢明です」(小川先生・安波先生)

 また、直前だからこれまで十分やってきたと過信や気のゆるみが出る子どももたくさんいます。

「算数では線分図や式を書かない、書いても雑になってしまい、それが原因でミスが出やすくなる子どもも多いですね。そういう姿を見かけたら『式や図はいつでも大事だよ』と声をかけてあげてください。また、理社の暗記物もさんざんやってきたからと『テキストを眺めるだけ』という子どもがいるのですが、この時期だからこそ書いて確認をすることがとても大切。常にアウトプットの癖をつけておくと、どんな時でも実力を発揮できるようになります」(安波先生)

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AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2017年 01 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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