今年はだれが受賞するのかと、毎年、世界中で話題になるノーベル賞。いつ、どうやって生まれた賞なんだろう? どんな人に贈られてきたんだろう? こんなに注目されるのはなぜだろう? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、朝日新聞編集委員・上田俊英さんの解説を紹介しよう。

上田俊英(うえだ・としひで)先生/朝日新聞編集委員。専門は原子力・エネルギー政策、科学技術政策。科学記者として、ノーベル賞にかかわる記事を多数執筆している(撮影/写真部・岸本絢)
上田俊英(うえだ・としひで)先生/朝日新聞編集委員。専門は原子力・エネルギー政策、科学技術政策。科学記者として、ノーベル賞にかかわる記事を多数執筆している(撮影/写真部・岸本絢)

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 ノーベル賞は、スウェーデンの科学者、アルフレッド・ノーベルの遺志でつくられた賞で、1901年に第1回授賞式が行われた。

 ノーベルはダイナマイトを発明した人なんだよ。工事現場で岩を爆破するなどの目的でつくられたものの、破壊力が大きかったから、戦争で兵器としても使われた。おかげでノーベルは大金持ちになったけれど、自分の発明が人殺しの道具にもなったことに心を痛めた。そこで、自分の遺産をもとにして、毎年、「人類に最大の恩恵をもたらした人」に賞金を贈るよう、遺言を書いた。こうしてできたのがノーベル賞だ。

 遺言にしたがってつくられたノーベル財団が、遺産をもとにしたノーベル基金を管理し、賞金を準備して、授賞式や晩餐会を開くんだ。それぞれの受賞者は、財団とは別に、遺言で決められた選考機関が選ぶよ。

■ノーベル賞受賞者に密着!
ノーベル賞に選ばれるとどんなことがあるのか、見てみよう!

【1.六つの分野で人類に貢献!】
ノーベル賞には六つの分野がある。そこで人類に貢献したと認められる成果を上げることが、受賞の条件だ。

<物理学賞>
物質やエネルギーの性質などを探る研究で最も重要な発見をした人

<科学賞>
物質の変化や構造などを探る研究で最も重要な発見をした人

<医学生理学賞>
病気やその予防法、体の機能などの研究で最も重要な発見をした人

<文化賞>
人や社会の理想などを描く、最もすぐれた小説や詩などをつくりだした人

<平和賞>
世界に平和をもたらすために最も素晴らしい活動をした人や団体

<経済学賞(後から加わった1分野)>
財政や金融などの研究で最も重要な発見をした人

※経済学賞は、1896年のノーベルの死から72年後の1968年、スウェーデン国立銀行の設立300周年を機に、同行の要請でつくられました。正式には「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」といいます。

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AERA dot.編集部
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