「子どもを置き去りにするのはしつけか虐待か?」こんな議論が話題になっている昨今。やはり、子どもの行動に親がイライラしてしまうのは、日常的にあるのは間違いない。『AERA with Kids 夏号』(朝日新聞出版)で、親のイライラに関するアンケートを実施。親はなぜイライラしてしまうのか、その理由を探った。

 小学生を持つ親200人にアンケートをしたところ、子どもを怒ってしまうことがほぼ毎日ある、と答えた人は半数以上。そのシチュエーションは、行儀・マナーに関することが第1位。2位以下も勉強や片付けに関することが続く。また、子どもを怒ったり、イライラしたりしてしまう原因を尋ねたところ、「子育てが思うようにいかない」が55.5%で1位。「自分自身が忙しい」が49%で2位となった。

「幸福」を研究テーマに、著書も多い慶應義塾大学大学院教授の前野隆司先生によると、そもそも親はイライラしがちな役目なのだそう。

「親は子どもの成長のため、日常生活を通して社会というものを教える役目を担っているからこそ、伝えなければならないことと思い通りにいかないことのはざまでいら立ちを感じてしまうのです。ですから、イライラしていいんです。ただし、このとき大切なのは、イライラしている自分を俯瞰(ふかん)する余裕を持つこと。これを『メタ認知』と言いますが、イライラしている自分に対して、“イライラしているな”と客観的に捉えることが重要なのです。すると、自分で感情をコントロールすることができるようになります」

 コツは、イライラして爆発しそうなときは、自分の感情を味わいながらも、もうひとりの自分がその感情を観察している感覚を持つようにすること。この練習をすると、自分の感情を客観的に捉えられるようになり、イライラや落ち込みといった、マイナスの感情に振り回されないようになるといいます。

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AERA dot.編集部
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