――のび太は、なんだかんだでいい仲間に恵まれています。仲間ってどうやったらつくれると思います?
相手を感じることが一番だと思う。自分がこうしたいっていう思いもあっていい
と思うけど、まずはしっかりと相手の気持ちになって、相手の立場や思いを感じること。スマホの画面じゃなくて、相手の目をしっかり見てね。そういうやりとりができたら、その時点でもう仲間になれてるんじゃないかな。
一番近くて、嘘のない愛がある仲間は家族だと思うんです。ドラえもんは年齢や性別を問わず共有できる存在。ぜひ親子で一緒に見てほしいですね。もし「どうせ『ドラえもん』でしょ?」とか思ってる大人がいたとしても、多分、みんな子どもと同じタイミングでジーンとすると思う(笑い)。ひょっとしたら人生経験が豊富な分、感受性が上がってるから、大人のほうがリアクションが大きいかもしれないですね。
――この映画を見れば「相手を思いやる気持ち」が学べますか?
うん。そうですね……映画版のび太も相変わらずのび太なんだよ(笑い)。アニメでも映画でも漫画でも、どこでものび太はのび太のわがままを、エゴを貫き通す。でも、それがときに美しく見えたりするわけです。映画版はカット割りとか、カメラワークも違うから、メッセージの伝わり方も違うと思う。走り出すのび太のカットも、映画だと後ろからグワッと近寄って、のび太の顔をフォローして並走したりする。「あ、きたこのカット!」っていう、“待ってましたカット”がすげぇあるんですよ! だから……うん? なんで俺はこんなに熱く語ってるんだろう(笑い)。みんなも映画館でこの思いを感じてほしいですね。
プロフィル きむら・たくや
1972年、東京都生まれ。2019年は映画「マスカレード・ホテル」やドラマ「グランメゾン東京」で主演。20年1月8日にはソロアルバム「Go with the Flow」を発売。
「映画ドラえもん のび太の新恐竜」 全国東宝系にて8月7日(金)公開
のび太が恐竜博の化石発掘体験で見つけたひとつの化石。ドラえもんのひみつ道具で化石を元に戻すと、生まれたのは双子の恐竜だった。2匹を仲間のもとに戻すため、のび太たちは6600万年前の白亜紀に出発! 新たな冒険が始まる!
(ライター・大道絵里子)
※月刊ジュニアエラ 2020年4月号より