緊急事態宣言下で実施された、今年の中学入試。コロナの影響で学校や受験生はどう動いたのか。前回の記事では難関校で志願者減少の傾向がみられた一方、比較的下位の学校で志願者が増えたと報じた。今回は大学付属校などの傾向について見ていこう。
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■早慶MARCHに次ぐ付属校も人気に
ここ数年続いている、大学付属校の人気は相変わらず高い。早稲田大学、慶應義塾大学、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)の付属校は難易度が上がり、志願者が減少した学校もあるものの、ほぼ高止まりのまま推移した。今年は付属校人気が、早慶MARCHに次ぐ日本大学、東海大学、芝浦工業大学の付属校にも及んだ。
「日大の付属はほとんどの学校が前年よりも増加しましたが、特に日大系唯一の男子校・日本大学豊山(東京・文京区)の増加が目立ちました」(森上教育研究所代表の森上展安さん)
同校の志願者は昨年に比べて771人増え、昨年比134%に上昇した。大学付属校の人気に追随して、青山学院大学と提携した青山学院大学系属浦和ルーテル学院(埼玉・さいたま市)も前年より志願者が183人増え、昨年比131%に上昇した。
また、人気低迷気味と言われてきた女子校が、盛り返しているようだ。
「去年あたりから、校風やカラーがはっきりしている学校の人気が高まっています」(首都圏模試センター取締役教育研究所長の北一成さん)
桐朋女子(東京・調布市)や女子美術大学付属(東京・杉並区)、昭和女子大学付属昭和(東京・世田谷区)など、個性が光る女子校が健闘している。女子美術大学付属は、志願者が130人増え、昨年比116%。さらにコロナ禍で、精神的なバックボーンを求める保護者に支持され、ミッションスクールも人気が出ている。
一方、女子校から共学へと改組した学校も注目された。村田女子高校が広尾学園と提携して共学となった広尾学園小石川(東京・文京区)は募集人数120人に対して志願者数3801人、聖徳大学付属女子から改組した光英VERITAS(千葉・松戸市)が105人に対して971人と、初年度から多くの志願者を集めた。また、小野学園から改組して2年目の品川翔英(東京・品川区)も100人に対して540人の志願者が集まった。
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