「コロナで海外へ留学できないことが響いた。しかし実際にはオンラインを用い、先進的な教育を行っています。イメージだけでなく、きちんと中身を見てほしいですね」(森永さん)

■初めての算数1教科入試が好調

 今年の併願日程は大阪の私立中学減少傾向なのに対し、兵庫では増加した学校もあった。コロナの影響とみられている。

「関西の受験生は、解禁日1月16日の午前中に本命校を受け、16日の午後以降に併願校を受けます。兵庫県東部(主に阪神間)の受験生は県内の学校を本命校とする生徒が多いですが、併願校は大阪の学校を選択するケースも多々見られます。今年、併願日程で大阪の学校が減ったのは、東部の受験生がラッシュ時の長時間通学を避けたいと、併願校も県内を選んだからではないかと推測しています」(森永さん)

 学校説明会が開かれず学校見学が思ったようにできなかったため、安全志向から伝統校やネームバリューの強い学校を選ぶ受験生も多かった。特に女子校にその傾向が見られ、神戸海星女子学院(兵庫)は257人から274人、プール学院(大阪)は145人から188人、親和(兵庫)は833人から847人に増加した。

 親和は昨年からプレゼンテーション入試を導入。志願者が集まるか注目されたが、昨年の志願者9人に対し、今年は2倍の18人を集めた。

「関西は首都圏ほど、入試がバラエティーに富んでいるわけではありません。今年は親和と滝川第二(兵庫)で算数1教科入試が導入され、それぞれ64人、149人と想定以上の志願者を集めました。今後増えそうです」(森永さん)

■東海地区は受験率上昇

 東海3県(愛知・岐阜・三重)では、中学受験率は上昇傾向にある。

東海では、コロナ禍にもかかわらずのべ受験者数が昨年の1万5383人から1万5694人に増えた。愛知ののべ受験者数は5年連続で増えている。推定の実受験者数で算出した受験率は6%程度だという。

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