「数値上はわずかしか増えていないように見えますが、中身が変わっている。2日目の午後という併願日程の中で、志望順位が上がってきています」(森永さん)
洛南高校附属(京都)も868人から881人と前年比101.5%で、微増となった。
「関西には関東のような難関女子校が少なく、両校が優秀な女子の受け皿になっている。西大和学園は首都圏など各地でも入試を行っており、男子は寮があるので関西以外からも人気が高まっているようです」(森永さん)
■志願者を1.4倍に伸ばした「須磨学園ショック」
今年関西で一番注目されたのは、志願者が1075人から1494人と前年比139.0%となった須磨学園(兵庫)だ。19年には夙川(兵庫)を経営統合。須磨学園の人気が上昇し難化したため、受験生が流れた夙川が621人から1123人と約2倍に急増した。須磨学園の人気の理由を、森永さんは次のように話す。
「先進的な教育を行っており、面倒見もいい。コロナによる休校中、オンライン授業の質が高くメディアで紹介されて話題になりました」
次に付属校をみてみよう。付属校は学校によって明暗が分かれた。植田さんは「関西は早慶大のような最難関の付属はなく、関東のように突出した人気校はありません」と言う。
関西で人気があるのは関関同立(関西大・関西学院大・同志社大・立命館大)系で、中でも同志社大のブランド力が強い。同志社女子(京都)は同志社系では比較的入りやすい「お得な学校」と注目され、志願者は788人から938人に増加。来年は難化しそうだ。
全体的に好調だったのが立命館大の付属だ。
「立命館大は系列に立命館アジア太平洋大(APU)などがあり、大学自体も先進的なイメージがある」(植田さん)
特に立命館守山(滋賀)は647人から767人に増え、前年比118.5%。京都からも通いやすい立地で併願が増えた模様だ。
関西学院千里国際(大阪)は125人から122人と微減にとどまったが、同志社国際(京都)が403人から349人、神戸国際(兵庫)が205人から183人と、国際教育を標榜した学校は志願者を減らした。
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