中学入試の志望校を決めるにあたり、まず考えるのは「大学までエスカレーター式で進学できる付属校か、大学受験に強い進学校か」ということではないでしょうか。ここ数年続いていた付属校人気ですが、難関・上位校は人気に伴う競争激化で敬遠され、今年は2番手の付属校が浮上しました。一方、男子進学校の人気は相変わらず続いていますが、今年は「隔年現象」ともいえる傾向も見られました。今年の志願状況の動向を見てみましょう。
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■早慶の付属が志願者減
最難関私立大学の早稲田大学、慶應義塾大学の付属校は、ほとんどで受験者離れが起きた。
「大学入試で難関大学が敬遠されたのと同じ現象が見られました。今年は合格の見込みが薄いチャレンジ層が出願をあきらめた結果、進学校の中でも最難関校の倍率が下がりましたが、付属校でも難関の早慶は、慶應中等部以外は志願者数を減らしました」(安田教育研究所代表の安田理さん)
東京大学の合格者が多く輩出する早稲田(新宿区)は、昨年の志願者数2259人から2076人に減少。早稲田実業学校(国分寺市)、早稲田大学高等学院(練馬区)も減。慶應義塾普通部(横浜市)は634人から603人に減少。慶應義塾湘南藤沢(藤沢市)も減らしたが、慶應義塾中等部(港区)は増加した。MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)は学校によって差が出た。青山学院(渋谷区)は1138人から1038人、立教池袋(豊島区)は723人から656人、中央大学附属(小金井市)は1248人から1104人にそれぞれ減少。明治大学付属明治(調布市)は1339人から1344人に微増、法政大学(三鷹市)は1472人から1647人に増加した。
注目は日本大学の付属校だ。併設の日本大学が、医学部を含め多彩な学部を擁していることから、支持された模様。日本大学豊山(文京区)、日本大学第一(墨田区)、日本大学第二(杉並区)、目黒日本大学(目黒区)など、東京にあるすべての付属校で志願者が増加。特に日本大学系唯一の男子校、日本大学豊山が2241人から3012人と大幅に増やした。
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