社会領域で読み取る力が求められるのは、表やグラフの読み取りに関する分野です。図やグラフで与えられている「数値の意味を考えること」、つまり「数値の背後にある原因」について考えることが、社会での読み取る力となります。数値の変化には必ず原因があります。すべての原因を網羅することは難しいですが、主な原因については問題の中から考えることができます。例えば、日本の漁獲高のグラフは有名ですが、遠洋漁業の漁獲高が激減していることはすぐ見て取れます。その際に、1970年代という点をグラフから読み取れると「200海里」「排他的経済水域の設定」「オイルショック」というキーワードが出てきます。これらをつなぎ合わせて、グラフが表す意味を考えることが、社会における読解力ということになります。
【理科】まずは自然法則を押さえよう
理科の特徴は「自然法則が明確に決まっている」ということです。理科的な文章をしっかりと読み込むためには、この「自然法則」を理解する必要があります。そうなると、理科の文章を読む際には「理科の基本知識」を押さえておくことが非常に重要になります。一方で、理科の問題を読み解くには「見る」力も重要です。「見る」力において、まず重要になるのは、「比較の視点」です。二つのものを見比べ、そこから相違点を見つけていく。これが理科的な読み方の基本となります。その際に気がついたことをメモしておくことも大切です。実験や観察の問題を読み解くときには、条件を整理して、「もしこの条件が変化したらどうなるのか」という視点から、変化前と変化後を比較することで、突破口が見えてきます。
【語彙力】すべての基本はここから
読解力は、文字どおり「読み解く力」です。読む力の根底にあるのは、「語彙力」ということになります。文字どおりの意味をとらえる力をつけていく、これが前提となり、文章を客観的に解釈していくことになります。人は考えるときに「言葉」を使って考えます。ですから「言葉」を知らないと思考は進みません。さまざまな分野で「言葉」を知ることは非常に重要なのです。また、理解するときには「自分の言葉」に置き換えていきます。「言葉」の知識が少ないとこれが弱点となり、理解が不十分になるのです。この点で、語彙を増やすことは重要ですので、ぜひ辞書と友達になってください。また、学んだ「言葉」を積極的に使うことも重要です。
※月刊ジュニアエラ 2021年4月号より