これからの入試ではどの科目でも「読解力」が必須。早稲田アカデミー 中学受験部の奥村浩祐先生が科目ごとに読み解く力のポイントを解説する。小中学生向けニュース月刊誌「ジュニアエラ」4月号に掲載された記事を紹介する。
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【算数】解き方の「意味」を理解しよう
算数領域ほど、文章を読み解くことが求められる領域はありません。読み解きができるようになるためには、パターン学習を繰り返すのではなく、普段の演習の段階から「算数的な意味」を考えながら文章題を読む練習を行う必要があります。ただし、前提となるのは公式の暗記ではなく、解き方の「意味」を理解しておくことです。「この文言があって、自分の持っている知識からは、このように解釈できる。だから、こういう式を立てられる」。そのような流れを意識できるとよいでしょう。鶴亀算、和差算などいろいろな特殊算がありますが、ぜひこれらの解き方の「意味」を考えて、上記の流れを意識した学習をしてみてください。
【国語】「客観的」に読む練習をしよう
読解力は問題を解くことにフォーカスされがちですが、「客観的に解釈していく」練習をいかに積むかが重要です。読書はあくまで「主観的」な読み方です。一方、国語のテストは「多くの人はこう解釈する」という点を確認するものです。この違いを意識して、普段から言葉でのコミュニケーションを通し、他者との比較を行ってください。比較の視点を持って客観的に考えられるようになることが、国語の領域では重要です。
物語文でもこの点は重要です。特に登場人物が自分とは異なるということを意識してください。そのうえで、登場人物の人物像をつかみ、その人物像を前提として「気持ち」を考えるようにしましょう。また、説明文・論説文を読み解くときには、まとめと具体例を読み分ける力が重要です。その際には、書いてあることから論理的にどのような帰結になるか、周りの人とコミュニケーションをとって比較してください。
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