現役高校生作家の鈴木るりかさんが、『さよなら、田中さん』でデビューしたのは14歳のとき。中学受験をテーマにした作品が話題を呼び、10万部を超えるベストセラーになった。現在発売中のAERA MOOK『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2022』(朝日新聞出版)では、自身も中学受験を経験したという鈴木さんに、作品に込めた思いや中学受験の思い出を聞いた。

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 現在、高校3年生。中高一貫校に通いながら、既に4冊の本を刊行し、作家として活躍する鈴木るりかさん。才能が開花したのは小学生のとき。小学館主催の「12歳の文学賞」で、小4から3年連続で大賞を受賞するという偉業を成し遂げたのだ。小5の終わりには、中学生の間に書き下ろしを加えて本を出す話があった。

「中学受験をすることはぼんやり考えていましたが、決断したのはそのころですね。高校受験がないほうが、創作活動に集中できるかな、って」

 小6の4月から中学受験の塾を探し始めたが、予想外の苦労があった。「受け入れてくれる塾がほとんどなかったんです。受け入れOKだとしても、転塾者限定。中学受験は小4から準備することを初めて知りました」

 4月の終わりにようやく決まったが、そこは主に高校受験をサポートする塾だった。

「小6の塾生はわたし含め2人。だけど、もうひとりの子がやめちゃって。集団塾のはずなのに個人塾状態(笑)。先生はわたしのペースに合わせてくれて、競争もなくゆったりしていましたね」

 公立の小中一貫校に通っていたため、「落ちても元の学校に通えばいい」と思っていた。最後まで切羽詰まった気持ちにはならなかったという。

「一般的な中学受験とは別物の経験だったと思います。厳しい環境や競争が苦手な私には、合っていたかな。これから中学受験をする人の参考には、あまりならないかもしれませんが……(笑)」

■学校選びの基準は「忘れ物が届けられる距離」

 志望校選びで両親からの条件として挙げられたのは、女子校であることのほかに、家から近いことだった。理由は、「学校が遠いと、忘れ物を届けるのが大変だから」。

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濱田ももこ
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