小4の長女の教育に熱心な東京出身の妻。地方出身の夫は、冷ややかな視線を送っています。「論語パパ」こと中国文献学者の山口謠司先生が、「論語」から格言を選んで現代の親の悩みに答える本連載。今回の父親へのアドバイスはいかに。
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【相談者:小学4年生と5歳の娘を持つ40代の父親】
小学4年生と5歳の幼稚園年長の娘がいる都内在住の40代の父親です。教育熱心すぎる妻を止められず悩んでいます。上の娘は、中学受験のための進学塾と公文にそれぞれ週2回ずつ通い、放課後は毎日3時間、土日はもっと勉強させているため、学校外で友達と遊ぶ時間がありません。妻の教え方はスパルタなので、娘も「塾にいるほうがいい」と言って、塾自体が逃げ場になっているようです。
妻は東京出身で高学歴なのですが、高校時代に勉強しなかった時期があるそうで、後悔しています。「子どもは自分から勉強するわけがない。将来、私に感謝してくれるはず」と思い込み、娘への教育を生きがいに感じているようです。一方で、父親の私は地方出身。子ども時代は山や川でのびのび遊んでいるだけでしたが、地元の進学校へ進みました。なので、妻の過度な期待は娘を幸せにするどころか苦しめるだけなのでは?と、冷ややかに見ています。都会の育児とはこんなものなのでしょうか?
【論語パパが選んだ言葉は?】
・「子夏(しか)曰わく、小道(しょうどう)と雖(いえど)も、必ず観る可(べ)き者有らん。遠きを致すには恐らくは泥(なず)まん。是(ここ)を以(も)って君子は為さざるなり」(子張第十九)
・「異端を攻(おさ)むるは、斯(こ)れ害あるのみ」(為政第二)
・「吾(わ)れ、少(わか)くして賤(いや)し。故に鄙事(ひじ)に多能なり」(子罕第九)
【現代語訳】
・「細かいことにも何らかの取りえがあるが、遠大な理想を抱く人間にとっては、かえって障害となってしまう。だから、先生は細々とした道を学ぼうとしないのだ」
・「本筋からかけ離れた異端のものを学ぶことは、百害あって一利なし」
・「私は若いとき、位が低かったからこそ、いろんなことを体得し、できるようになった」
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