大手塾以外にも、地域密着型の小規模塾や個人経営の塾が子どもたち一人ひとりに目を配るきめ細かな指導を行っているケースも少なくない。思考力や表現力、コミュニケーション能力といった「21世紀型スキル」を問う「新タイプの入試」で受験する場合は中小規模塾のほうが対応力を備えている場合もあるので、広い視野で塾を探す考え方も大切だ。

■実際にその目で見て最適な環境を探す

 実際に塾を選ぶ際は「ぜひ見学に行ってください」と小川さんは提案する。お子さんと一緒に校舎へと足を運び、実際に入塾したときにわが子が習う可能性のある講師と面談して、人間性や塾内の雰囲気を確認する。親は塾の方針や、その塾が各家庭に求める家庭学習の質や量も把握する。その際は見学に行くタイミングも重要だという。

「実際に授業が始まる前、もしくは終わりかけに面談を始めて、授業前後の校舎の様子に触れるのがいいと思います。通っている子どもたちの姿が垣間見られるので、お子さんも『ここは楽しそう』『ここは嫌だ』と感じ取れます」

 また、大手塾の場合は校舎によって運営方針などが異なるケースもある。小川さんは、「同じ塾でも学びやすさが違う場合があるので、通塾できる範囲内に複数の校舎がある場合は、それぞれを見学して比較したほうがいいですね」と指摘する。

■親のサポート態勢でも適した塾は異なる

 さらに、塾が求める家庭での学習負担を、親としてサポート可能かどうかも判断しなければならない。家庭での十分なサポートが必要な塾の場合、特に共働き家庭にとってはハードルが上がる。小川さんは「お子さんが気に入った塾だったとしても、家庭で求められるサポート量に対応する自信がないときは、別の塾を選んだほうがうまくいくこともあります」と話す。

 実際に通い始めてから、お子さんが「やっぱり合わないから塾を変えたい」と感じることもある。小川さんは「最初からばっちり合うことはそう多くはありません」と語り、転塾のタイミングについて次のように説明する。

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