首都圏の私立中学校を中心に「新タイプの入試」が増えている。思考力や表現力、コミュニケーション能力といった「21世紀型スキル」が求められるこれらの入試にはどのような種類があり、受験生はどのような対策を立てればいいのだろうか。また、こうした入試が増えている背景には何があるのか。『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2022』(朝日新聞出版)では、ウェブサイト「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員でもある教育家の小川大介さんや、「日本一入試方法の多い学校」を標榜する宝仙学園中学校共学部理数インターを取材した。
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時代の変化に伴い、グローバル化や高度情報化に対応する能力、コミュニケーションスキルなどが求められるようになってきた。大学入試改革でも、従来の知識や技能の習得に加え、思考力、判断力、表現力と、学びに向かう姿勢や態度が問われるようになっている。こうした「21世紀型スキル」が求められる時代背景を受け、これからの社会に必要な能力を測る「新タイプの入試」を実施する中学校が増えている。
中学入試は従来、国語、算数、理科、社会の4科目や、国語、算数の2科目で行われてきた。一方、新タイプの入試の種類は多岐にわたる。公立中高一貫校と同じ「適性検査型入試」は、多くの私立中学校が採用。出題に関する考察や、自分の意見を論述する形式が多い。
表現力や自己アピール力を評価する「自己アピール型(プレゼン型)入試」を取り入れる学校も多くなってきた。これまで打ち込んできたことに関するプレゼンテーションを行い、その実績やプレゼン能力を評価する。
謎解き検定能力や脱出ゲームを通じて「生きる力」を測る藤村女子中学校(東京)の「ナゾ解き入試」、レゴブロックで思考力を問う聖学院中学校(東京)の「ものづくり思考力」入試、グループ活動を通じて主体性や協調性を見る武蔵野大学中学校(東京)の「アドベンチャー入試」など、個性的な入試が年々増えている。
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