――転校は子どもに心理的な負荷もかかりますが。


 
 12歳の長男は、最初難色を示したものの、「風越」の教育方針を知るとすぐに「転校したい! 自分で決められるってすごくいいよね」って。下の子たちは……、よくわかってない(笑)。「ママが『いい』って言うなら、それでいい」と。今は子ども5人全員が「風越」に通っています。

――移住後は憧れのワーケーションが日常になったのでは?

 最初に起こった変化は、早起きになったこと。朝5時に起きます。自然界の営みと共に身体があるイメージです。自然を肌で感じる感覚が東京とはまるで違って、新鮮です。東京時代は、深夜まで仕事し、一つ屋根の下に暮らしているのに、子どもとの交流は難しかった。スケジュールや時間がバラバラ。もちろん田舎暮らしでも、通学・通勤があれば差異はないでしょうけど、リモートワークなので家族で過ごす時間が増えました。飲みにも出なくなり、散財がなくなった。「貯金が増えた」というのは、多くの移住者が感じると思います。

――ほかに生活の楽しみは?

 散歩、温泉、ゴルフ。有名リゾートが手掛ける温泉施設も近場にあって、地元町民は割引料金で入れます。朝10時のミーティング前、「ちょっとゴルフ行ってくる」「温泉入ってくる」。そんなことが実現できます。犬も飼い始め、バーベキューや焚き火をする機会が増えたかな。三鷹の職場に出向くのは週1日です。

――「軽井沢風越学園」は3歳から15歳までが一つの校舎で学びますね。「風越」に通い始めたお子さんたちに変化は?

 大きく変わったのは、学校に通うのが好きになったこと。長女は都内の小学1年の頃、学校に行くのがイヤで仕方なかった。朝、玄関先で泣く。「行きたくない!」「ダメだ、行ってこい」。30分後、僕が出勤しようとドアを開けたら、まだそこにいる。今は元気に「行ってきます!」。

――自主性を促す方針が、ポジティブに作用したと?

「風越」では学校のルールを話し合いで決めます。「みんなが自由で快適にいられる学校にするためには、掃除や遊び、勉強、お弁当などどんなルールがあるべきか」という議論が日常で行われています。それも森の中で、先生と子どもたちが一緒に考える。

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