また、この寮では「特進コース」と「総合コース」の生徒たちが共同生活を送ることになる。学力トップ層の生徒と、スポーツや芸術で才能を発揮する生徒が互いに良いところを学び合い、切磋琢磨できる環境の構築が狙いだという。
■子どもたちはどんな6年間を過ごすのか
金沢学院大学附属中学校は、金沢駅からバスで35分ほどの距離にあり、豊かな緑に囲まれた環境である。広々とした敷地内には、体育館やサッカー場、ラグビー場、野球場、剣道場、柔道場のほか、トランポリン場や相撲場まである。
来春入学する第1期生たちは、どんな6年間をここで過ごしていくのだろう。
「2022年4月、開校へ」と記された同校のパンフレットを開くと、そこには学校が思い描く6年間の歩みが樹木のイラストとともに掲載されている。
わたしが学校内を訪れて見学していた折、学校関係者のひとりがふとつぶやいた。
「中高6年間を過ごしたこの金沢の地は、子どもたちにとって『故郷』になるのでしょうね」
まだ開設していない学校ゆえ、わたしは在校生たちの声を直接聞くことはできない。
第1期生となる彼ら彼女らがこの金沢の地に根を張って、新しい学び舎の中でどのようにして学びの枝葉を伸ばしていくのか。わたしは楽しみにしている。(矢野耕平)
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