新規開校する中高一貫校には陰で民間教育機関が携わることが多い。しかしながら、それはあくまでも助言役やサポート役といったいわば「お客様」であることがほとんどだ。

 この点、同校は他校と一線を画している。プラスティー教育研究所はれっきとした「学校スタッフ」であり、教員たちと協同して教育内容やそのプログラムを構築、実践するという。もちろん、代表の清水さんはじめ、プラスティーのスタッフたちも授業を受け持ち、子どもたちひとりひとりのコーチングも担っていく。

 わたしは来春から中学校に勤務する教員たちとプラスティーのスタッフたちとのミーティングの場にたまたま居合わせたが、活気ある雰囲気の中、互いに本音をぶつけ合い、良い学校を皆でつくり上げていこうという熱気に満ちていた。


■子どもたちが成長する「寮制度」


 そして、同校の敷地内には3階建てで200の個室を備える新築の寮(中学清鐘寮)を用意する。寮内には大人数で使用する学習室を5室設けたり、系列大学の教育学部の在学生たちがチューターとして個別指導に携わったりするなどして、子どもたちの6年間の学びを支援する。

 そして、この寮では中学校で教頭を務める予定の望月尚志先生が寮監を兼ねるという。

 望月先生は熱弁を振るう。

「寮生たちが学習成果を出すためには、生徒たちにとってストレスフリーな生活を用意しなければいけません。教頭であるわたしが寮監を兼務することで、学校内と寮での様子を交互にチェックし、寮生ひとりひとりに細かに配慮することができます。なお、わたしの妻が寮母を務めます」

 驚かされたのは、望月さんご夫妻は富山県の私立中高一貫校で16年間、寮長・寮母として多くの寮生やその保護者たちと関わってきたという。そのノウハウを基にさらにオンラインなどを活用した新しい試みを導入するという。

 学期ごとの寮生保護者会、週に1度配信される寮生活のライブ動画、YouTubeを活用したイベント動画配信など……。

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