「今、教育は急激に変化しています。その変化に、教育の中身が対応できているかどうかも見たほうがいいでしょう」(北さん)

■受験間近の「入試相談会」  

 受験間近の説明会は「入試相談会」などとして、入試により特化した内容になることが多い。出題傾向や分野、出題構成、さらに採点基準など、具体的な説明を行うので、参加しておくと志望校対策がしやすくなるのでおすすめだ。また、最近増えているのが「入試体験会」だ。「プレテスト」として入試問題に即した試験問題を参加児童が解いた後、教員が答案をもとにいろいろアドバイスしてくれる。過去問を題材に、教員が問題を解説してくれる学校もある。

 教科以外の「新タイプ入試」を行う学校は、ほとんどが入試体験会を行っている。

「今までに体験したことがない入試だけに、説明を聞いてもとまどってしまうことが多い。事前に体験しておくことで、余裕を持って試験に臨むことができます。受験を予定しているなら、参加したほうがいいでしょう」(北さん)

■リアルとオンラインのハイブリッド開催

 説明会の予約に漏れた受験生のために、オンラインを併用しハイブリッドで行う学校も増えている。

 オンライン説明会は通常、校長挨拶、副校長か教頭による教育方針や学校生活の説明、各教科担当の入試出題方針の説明、広報部長の入試説明と進行する。

「子どもはこの時期、受験勉強で忙しいでしょうから、全部視聴しなくても、学校説明など関心のあるところを押さえておくといい」(安田さん)

 最近では、在校生が学校紹介を行う動画も増えている。受験生に年代が近いお兄さん、お姉さんが語ることで、より親しみを感じさせると好評だ。

 説明会に参加したからといって入試で加点されることはないが、入試傾向を知ることができたり、学校の様子や在校生の雰囲気、教育方針をつかめたりするなど、メリットは大きい。

「子どもは足を運んだ学校に行きたがるので、やはり志望校にはできるだけ行ってみたほうがいい。実際にその学校に6年間通うのは子どもです。親と志望校に関して意見が異なったら、子どもの直感を大切にしてあげてください」(安田さん)

(柿崎明子)

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柿崎明子
ライター 柿崎明子
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